2023年、今年は暑すぎる。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は2023年7月27日、「地球沸騰化(Global boiling)の時代が到来した」(原文そのまま: “the era of global boiling has arrived”)と警鐘を鳴らした程である。
※まだ通称が定まっていないため「地球灼熱化」とも訳されている。
実際のところ、2023年7月の世界の平均気温は、観測史上、最も暑かったらしい。
過去12万年で「最も暑い1カ月」と指摘した専門家もいる程に。
◇
そんな灼熱の7月が過ぎ8月が明け、時は9月。
既に世間一般的には「夏の盛りも過ぎて〜」だとか、「夏休みももう終わり〜」だとか、という声も出てきているが、それにしてもこの暑さ問題は解決してくれそうにない。
暑さはもはやどうしようもないものの、問題なのは、その「夏の盛りも過ぎて」が気がつけば現実味を帯びてきていることである。
2023/5/8の「コロナ5類感染症」移行以降、様々な方面で規制緩和が進んだことにより、コロナ禍以前の日々が彩りを取り戻しつつあるものの、未だに確かな実感を掴めていない。
実のところ、
2023年7月から8月にかけて、久々に
9人でバーベキューして、
チケットが当たった花火大会行って、
20年来続けている祭りのお囃子を演奏して、
人生初の音楽フェス「ロッキン」に行って、
海際ドライブや海に行って伊勢海老を捕まえて(密漁になるのでリリースした)、
念願の大谷資料館の地下空間に行って、
六本木の「ディズニー・アニメーション・イマーシブ・エクスペリエンス」に行って、
ランチで2万するフレンチコース料理を体験し、
職場の暑気払いや同期会に参加した。
それでも私には夏は来ない。
それでも全然幸せじゃない。
これ以上、どうしたらいい?
何をすれば幸せを感じられる?
もはやそれさえも分かってないのだから本当に救いようがない。
救済の余地はあるのか。
そして、夏はどこにあるのか?
◇
そう思うと、ふと高校時代に学んだ百人一首の持統天皇の歌を思い出した。
「春過ぎて 夏来にけらし 白たへの 衣干すてふ 天の香具山」
(意訳…もう春が過ぎて夏が来たようだ。天の香具山では真っ白な衣を干す景色が見られるというが、なるほど衣替えの季節で、白い衣がはためいている。)
季節の到来や実感をこのようにストレートに詠めるのはスゴいな、と今更ながらに感じている。
恐らく私と違って、作者は「今・現在の“その瞬間”」をきちんと生きていたのだろうと思う。
そうでなければ、春夏秋冬の移ろいに真っ直ぐ向かい合えないのではないだろうか(純粋な温度変化や景色の変化、事象や行事の実施の知覚を除いて)。
◇
少し脱線したが、重ね重ね、夏が来ない。
終わりかけどころか、来てもいない。
これだけ夏のイベントをひととおり通り過ぎても来ないのなら、きっと永遠に来ないのかもしれない。
いつかの記事でも綴ったが、本当に何事にも実感できない。
滔々と過ぎていくばかりで、しみじみと身に沁みて実感することなく「これが〇〇なのか?」とどこか他人事のように始まってそのまま他人事のように終わっていく。
20代、このまま夏が一向に来ないのか?
あがくために、とりあえず申し込んだ資格試験。
引き続き2023、健闘や、如何に。